セメント協会(不死原正文会長)は、2023年度のセメント需要見通しをまとめた。国内需要は、官公需のマイナスが底を打つとともに、堅調な設備投資に支えられて民需がプラスで推移し、前年度比1・6%増の3800万dになるとした。
22年度の国内需要の見込みについては、前年度比1・3%減の3740万dと算定した。内訳は、官公需が6・1%減の1660万d、民需が2・9%増の2080万d。
23年度については、官公需は22年度と同じ1660万dで推移。民需は2・9%増の2140万dに増加。合わせて1・6%増の3800万dになる見通し。
官公需は、前年度と同水準の公共事業予算が確保されたことなどから前年並みとした。
一方、民需は、住宅ローン金利や建設コストの上昇で住宅着工が減る一方、都市部の再開発の継続に加え、事務所が増加し、店舗・工場・倉庫も高水準を維持、22年度を上回ると見通した。
輸出は、22年度の見込みが前年度比27・7%減の830万d、23年度の見通しが15・7%減の700万d。不安定な世界情勢とエネルギー価格によって生産コストが高止まりし、厳しい輸出環境が続くという見方だ。
提供:建通新聞社