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中央ニュース

2023/02/24

低入調査の実効性確保 10県で改善が必要

 国土交通省は、都道府県発注工事での低入札価格調査制度について、改善が必要と思われる自治体として、青森、宮城、群馬、長野、岐阜、静岡、愛知、山口、徳島、福岡の10県を挙げた。いずれの団体も低入調査で応札者が排除された割合が低かった。国交省の担当者は、「全ての県で実効性の確保に問題があるとは言えないが、必要に応じて改善を働き掛けていく」としている。
 国交省では、都道府県での低入札価格調査制度の実効性が確保されているかを判断する上で、低入調査で排除された応札者の割合である「排除率」に着目した。
 「実際に低入調査を受けた応札者が10者以上(2021年度)で、排除率が10%未満」という独自の目安を設け、該当する自治体などについて、「実効性の確保ができていない可能性がある」として、今後必要に応じて改善を促していく。
 排除率は、低入調査で排除した応札者数を、低入調査を受けた全応札者で除して求める。例えば、宮城県は、排除した応札者が1社、低入調査を受けた応札者が全30社のため、排除率3・3%となる=表参照(47都道府県の21年度の排除率)。
 調査結果を踏まえ、国交省は▽調査基準価格とは別に失格基準を設け、下回れば即失格とする方法▽直接工事費など経費項目別に失格基準を設ける「特別重点調査制度」▽調査基準価格を下回った場合に技術評価点を下げる「施工体制確認型総合評価制度」−を組み合わせて活用することで、実効性を高めるよう促していく。
 この他、低入札価格調査の調査項目については、「入札契約適正化法指針で規定されているにもかかわらず、必要な項目を設けていない自治体がある」とし、設定状況を再度確認し適切に設定するよう求める。
 さらに、調査基準価格を下回る受注に際しては、手抜き工事や下請けへのしわ寄せ、契約不履行が起きないようにするため、履行確保措置の徹底を求める。具体的には、技術者の増員やモニターの実施、契約保証額の引き上げなどの取り組み強化を促す。低価格での受注が、受注者にとって、手間や費用、人員面での負担になるようにすることで発生抑制につなげる。

提供:建通新聞社