経済調査会は、2022年度の資材価格動向について「歴史的な高騰局面だった」と総括した。世界的な資源の高騰やロシアのウクライナ侵攻、円安基調が重なって原料コストが上昇。メーカーの価格転嫁が進み、1月調査に基づく建設資材価格指数(15年度平均を100とした指数)は「148・2」と過去最高値を更新した。一方、足元では「上昇基調は沈静化しつつある」とも見ている。
建設資材価格指数の「建築・土木総合」は、20年9月から22年8月まで24カ月連続で前年を上回った。その後も高い水準を維持し、1月調査分で「148・2」となり、過去最高値を更新した。
ただし、指数の前年比での上昇幅は22年5月のプラス30・3ポイントをピークに、徐々に緩やかになってきている。1月はプラス9・5ポイントと小幅で、上昇基調は沈静化しつつあるという。
個別の資材の状況を見ると、鋼材類や石油製品などの一次製品の高騰が、それらを原材料とする二次製品に波及。特に生コンクリートはセメントの、アスファルト混合物はストレートアスファルトのコスト上昇分を販売価格に転嫁した結果、「全国的にこれまでにない規模と頻度で市況は上伸した」と分析した。異形棒鋼やコンクリート型枠用合板、電線・ケーブル、ガス管なども過去最高値を更新した。
今後については、景気減速懸念から国際資源には需給緩和の動きもあるとした。一方、エネルギーコストは引き続き上昇が見込まれる。このため、23年度の不透明感は強いとしつつ、主要な建設資材は「横ばいからじり高」で推移するとの見通しを示した。
提供:建通新聞社