国土交通省は、インフラ分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)を、より広範囲で推進するため、「インフラの作り方」「インフラの使い方」「データの生かし方」を変革する考え方を示した。インフラ分野全般を網羅する形で、DX推進の取り組みを深化させ、仮想空間を使って社会課題の解決を目指す未来社会「Society5.0」の実現につなげる。次期DXアクションプランにも反映する。2月16日に開いた社会資本整備審議会の技術部会で提示した。
「インフラの作り方」の変革では、公共工事のさまざまなシステムや手続き、工事書類をデジタル化し、作業・業務全般を効率化する。自動化建設機械による施工や、ICT技術による構造物の出来形確認などもさらに進め、建設現場の生産性や安全性を高める。
「インフラの使い方」では、デジタル技術を活用し、既存インフラの潜在的な機能を引き出す。例えば、AIによる気象予測を、大雨時の事前放流の判断に生かし、ダムの治水機能を最大化することなどを考えている。
「データの生かし方」の変革では、構造物や交通、気象などインフラまわりのデータをオープン化し、技術開発や民間投資を促す。具体的には、地図上から事業計画データなどを閲覧できる「国土交通データプラットフォーム」の機能を拡充するなどとした。
国土交通データプラットフォームについては、「カタログ」「検索・ダウンロード」「視覚化」の三つの機能を強化する。特に、視覚化機能を充実させ、インフラの現状・計画・効果、災害リスク、土地利用状況などの各種デジタル地図を重ね合わせて表示できるようにする。
技術部会ではこの他、各局のDXの取り組みを報告。3D都市モデル(PLATEAU)の整備・活用状況や、建設機械の自動化・自律化施工などの状況を共有した。各局の脱炭素化社会の実現に向けた取り組みの説明もあった。
提供:建通新聞社