建設業情報管理センター(CIIC)がまとめた「建設業の経営分析(2021年度)」によると、中小建設業約5万社の総資本経常利益率は前年度比0・65ポイントマイナスの5・02%となり、6年ぶりに悪化した。CIICでは、政府建設投資額が前年度比減となったことが影響したと見ている。
調査は、CIICに経営状況分析を申請した企業のうち、資本金5億円以上または負債総額200億円以上の大会社を除く、兼業事業売上高が総売上高の2割未満の者など、4万6653社を対象に実施した。
企業の収益性を示す総資本経常利益率は前年度から0・65ポイントマイナスの5・02%となり、6年ぶりに悪化。過去最高を更新した前年度から減少に転じた。地域別では全ブロックで悪化し、首都圏が1・21ポイントマイナスと落ち込み幅が最も大きかった。
企業経営の活動性を示す総資本回転率は0・16ポイントマイナスの1・39%となり悪化の傾向が続いた。5年連続で過去最低を更新。業種別、売上高別、地域別いずれも全ての区分で悪化した。
自己資本比率は1・1ポイントプラスの37・5%と10年連続の上昇となり、6年連続で過去最高を更新した。近畿を除く全地域で上昇。北海道の48・23%、北陸の42・06%、九州・沖縄の41・11%、東北の40・50%で4割を超えた。
生産性を示す技術職員1人当たりの完成工事高は4259万円となり、2年連続で悪化した。
提供:建通新聞社