出入国管理庁は、技能実習と特定技能の両制度の在り方の検討に向け、日本で働く外国人や受け入れ企業、関係団体へのヒアリング結果をまとめた。制度全体については、人材育成と企業の人材確保、国際貢献という役割を一定程度果たしているとした上で、両制度を「一貫性のあるものへ改革すべき」とする意見が寄せられた。
1月31日に開いた有識者会議で提示した。ヒアリング結果も踏まえ、制度の目的と実態とのかい離の解消や、外国人の人権侵害を防止する仕組みを検討する。今春に中間報告、今秋に最終報告をまとめる。
技能実習制度については、「人材育成・国際貢献という趣旨が果たされている」と評価しつつ、実態としては「国内での人材確保に使われている」とする声が受け入れ機関から寄せられた。「お金を稼ぎたい」から来日したと語る実習生もいた。
技能実習制度のこうした実態に対し「労働者としての環境を整えるべき」とする意見も寄せられた。技能実習の「職種・作業」と特定技能の「特定産業分野」を整合させるなど、両制度の関係の整理と一貫性の確保に対する要望も出た。
技能実習生の転籍については、柔軟化を認める意見が多かった。ただ、給与格差などから大都市圏に実習生が一極集中することを不安視する声も多く、待遇改善のための公的な手当てを求める意見も上がった。
提供:建通新聞社