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東日本高速道路会社と中日本高速道路会社、西日本高速道路会社の３社は１月31日、高速道路の更新について、定期点検や点検技術の高度化によって、新たに対策が必要な個所が延長約５００�`（上下線延べ９００�`）判明し、約１兆円の事業費が必要になったと発表した。橋梁の桁のＰＣ鋼材の腐食対策や、舗装路盤の高耐久化などに着手する。
　３社は２０１５年３月から、高速道路約１万�`のうち約１３６０�`を対象に床版の取り替えなど更新事業を進めている。現行の事業費は約４兆円。これに約１兆円を上乗せする。有識者で構成する、長期保全に関する技術検討委員会の中間とりまとめを受けて方針を固めた。
　新たに必要が判明した対策は▽桁のＰＣ鋼材の腐食とグラウト充てん不足への対応▽鉄筋コンクリート床板・中空床版の劣化への対応▽舗装路盤部の疲労破壊への対応▽地すべり対策をしても変状が収まらない切土のり面への対応▽火山堆積物地質における路面陥没への対応―。
　グラウトの充てん不足による桁の劣化は、ＰＣ鋼材の破断などで顕在化していた。しかし、目視による充てん不足箇所の把握は以前は困難だった。しかし、16年以降、非破壊調査技術の高度化によって、充てん不足箇所の検出が可能になった。充てん不足が確認された場合、再注入あるいは桁の架け替えを行う。
　対策が必要な個所の事例として、西湘バイパスの滄浪橋（神奈川県）の下り線・橋長５６８５�bを挙げた。
　鉄筋コンクリート床板・中空床版の劣化では、電磁波レーダー探査や小径削孔調査によって、古い基準で設計や補修を行った橋梁で、床版上面や内部のひび割れなどが確認されるようになった。劣化が著しい場合は、高耐久なＰＣ床板に取り替える。
　対策箇所の事例として、長崎自動車道の嘉瀬川橋（佐賀県）の上り線・橋長４５５�bを挙げた。
　舗装路盤部については、路盤部までの変状が近年増えていることから、舗装内部を確認する開削調査を行った。その結果、舗装厚が薄いケースなどで、上層からの疲労ひび割れで水が浸透、下層路盤に永久変形が発生するメカニズムが判明した。対策として、高耐久路盤に整備し直す。
　対策が必要な個所として、関越自動車道の土樽地区（新潟県）を挙げた。
　新たに対策を講じる約５００�`の３社ごとの延長と事業費は、東日本が１８０�`（３０００億円）、中日本が１３０�`（４０００億円）、西日本が１９０�`（３０００億円）。
　新たに取り組む更新計画の概要は次の通り（�@延長＜カッコ内は上下線延べ延長＞�A概算事業費）
　【橋梁】▽桁の架け替え、充てん剤の再注入�@約30�`（延べ約50�`）�A約２５００億円▽床版取替�@約20�`（約30�`）�A約４５００億円
　【土工・舗装】▽舗装路盤部の高耐久化�@約４４０�`（約８７０�`）�A約２４００億円▽切土区間のボックスカルバート化＋押さえ盛土�@２カ所�A約２００億円▽盛土材の置換�@約４�`（約８�`）�A約４００億円

提供：建通新聞社