国土交通省は、2023年度からの直轄工事でのBIM/CIMの原則適用に併せて、各工程で作成した3次元データを後工程で円滑に活用できるようにする。プロジェクトチームを設置し、個別課題の解決に向けた検討に入る。1月19日にBIM/CIM推進委員会を開き、了承を得た。
BIM/CIMで作成した3次元データは、ソフトやハードの互換性の問題などから、作成したものを後工程で円滑に使えていない現状がある。
例えば、ICT建機を稼働させるために施工者の多くが、設計の3次元データをいったん2次元データに戻し、ICT建機の仕様に合った3次元データに作成し直しているという。こうした手間が、「測量から設計」や「設計から施工」といった各段階間にそれぞれ存在する。
このため、関連建設業団体や国交省の担当部局が参加する、各段階間別のプロジェクトチームを設け、課題解決に取り組む=各プロジェクトチームの議題など表参照。
例えば、設計〜ICT建機間のプロジェクトチームでは、建設コンサルタンツ協会や日本建設業連合会、全国建設業協会、国交省の公共事業企画調整課などが参加し、ICT建機に搭載する3次元データの効率的な受け渡し方法を検討する。
効果があった取り組みついては、BIM/CIM原則適用で受注者が行う義務・推奨項目にも反映していく。より高度なデータ活用を順次標準化し、直轄事業のさらなる生産性向上につなげる。
会合ではこの他、BIM/CIM原則適用の考え方が了承された他、受発注者が3次元データを共有できるDXデータセンターのポータルサイトの運用が始まったとの報告もあった。
より高度なデータ活用の実現に向けて、委員からは「個別課題の解決と合わせて、BIM/CIMがもたらしてくれるより効率的な直轄事業の姿も考えておく必要がある」といった意見も出た。
提供:建通新聞社