国土交通省は、直轄業務の発注方式を業務内容と事業別に整理した「発注方式選定表」を見直す。2014年度に策定して以降は変更しておらず、実態とのかい離が見られることから、各地方整備局での発注実績に見合った内容に改定する。22年度中の改定を目指す。1月13日に開いた「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」の業務・マネジメント部会で改定案を示した。
選定表では、道路事業や河川事業などの直轄業務について、内容や特性を踏まえ、業務の種類ごとに適用すべき発注方式をまとめている。発注方式はプロポーザル方式、総合評価方式、価格競争方式の3タイプに分類。例えば、道路事業の水文調査は、専門的な技術が要求されることを踏まえ、プロポーザルを適用すべきとしている。
ただ、20〜21年度の地方整備局での水文調査の発注実績を見ると、対象17件のうち、プロポーザルで発注した件数は4割程度の7件にとどまる。残る10件は総合評価か価格競争で発注していた。
こうした実態を踏まえ、改定案では、道路事業の水文調査について、一般的な分析を含む場合は総合評価、資料作成が中心なら価格競争を適用するよう選定表を改める。
この他、道路の詳細設計や河川の施設点検調査なども同様の考え方で見直す。
現行の選定表にない「3次元点群測量(UAV写真測量、地上レーザー測量、UAVレーザー測量)」については、測量の業務区分に新たに追加する。標準の発注方式は総合評価となる。
選定表は、「建設コンサルタント業務等におけるプロポーザル方式及び総合評価落札方式の運用ガイドライン」に記載している。選定表の改定に併せて、プロポーザルの適用を検討する際の留意事項を新たにガイドラインにも追記する。
提供:建通新聞社