国土交通省は1月10日、経済産業省、厚生労働省、文部科学省と実施している「ものづくり日本大賞」の第9回内閣総理大臣賞受賞者を決定した。国交省分のうち建設関係の受賞者は、瓦ぶき職人で建設マスターの内田敦志氏と、遮水性盛土の総合的な品質管理法を開発した水資源機構職員の坂本博紀氏、曽田英揮氏、鹿島社員の小林弘明氏の2案件、計4人。表彰式は各省合同で1月中に開く。
内田氏は、静岡市の建商内田瓦店で40年以上にわたり瓦工事に従事する屋根工の技能者。反り屋根特有の高度な技術が必要とされる城・神社仏閣の施工で高い実績を持つ。専門的な独自の器具も開発した。後進の指導・育成に多大な貢献を果たし、建設マスターにも選ばれていた。国交省が過去3年の建設マスター顕彰者の中から選んだ。
一方、遮水性盛土の総合的な品質管理法は、水資源機構と鹿島が共同で開発したもの。ICT技術により、ロックフィルダムなどで用いる盛土材の一元管理を初めて実現。実際の工事現場で活用し、品質管理試験時間を約1300時間削減した。品質の遠隔確認もできるようになり、監督員が従来の約半数の人員で済んだという。国交省はインフラ分野のDXの取り組みとして生産性向上につなげたことを高く評価。国交省の国土技術開発賞も受けており、開発に携わった3人の受賞を決めた。
ものづくり日本大賞は、各分野のものづくりに携わる特に優秀な人材を顕彰するもの。2005年に創設し3年に1回行っている。
提供:建通新聞社