国土交通省は12月22日までに「2022年度下期ブロック監理課長等会議(入札契約担当課長会議)」の全日程を終えた。スライド条項の適切な運用などを通して、公共工事の円滑な施工確保に取り組むことを都道府県と申し合わせた。技能者の処遇改善や建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用促進にも力を入れる。
近畿ブロック監理課長等会議(入札契約担当課長会議)を22日に大阪市内で開き、予定していた全8ブロックでの会合を終えた。参加した全47都道府県と申し合わせを行った。
申し合わせでは、公共工事の円滑な施工確保や、技能者の処遇改善に向けてダンピング対策を推進することを示し合わせた。円滑な施工確保に向けては、原材料費の最新の取引価格を反映した予定価格の設定や、スライド条項の適用、施工時期の平準化を進めることとした。地域の建設業団体の意見も踏まえた不調・不落対策にも取り組む。
ダンピング対策では、最新の中央公契連(中央公共工事契約制度運用連絡協議会)モデルの基準に沿った調査基準価格の設定や、低入札価格調査の実効性の確保に努めることとした。技能者の処遇改善に向けて、法定福利費を確実に確保するよう促す他、重層下請け構造の適正化のための検討も深める。
この他、都道府県公共契約連絡協議会を通じ、入札契約制度の一層の改善にも取り組む。全国の公契連を活用した、国交省による市区町村への直接的な働きかけも継続する。
CCUSについては、地域の利用状況に応じて、自治体の発注工事でのインセンティブ導入への環境整備を進め、活用を促す。国交省から自治体に対して、事業者登録状況の情報共有など必要な支援措置も講じる。
提供:建通新聞社