政府は12月20日、盛土規制法の施行期日を2023年5月26日とする政令を閣議決定した。合わせて、規制対象となる「特定盛土」と「土石の堆積」の規模要件や、工事に関する技術基準も整えた。特に渓流などで15bを超えて盛土する場合について、安定計算を義務付けるなど、災害防止のための対策を規定した。
政府は、静岡県熱海市で発生した土石流災害を踏まえ、土地の用途に関わらず危険な盛土を包括的に規制するため、宅地造成法を盛土規制法に抜本改正。盛土に許可が必要な区域を都道府県知事などが指定できるようにし、罰則も設けた。
今回の政令では、規制対象となる「特定盛土」の要件として▽高さが1b超の崖を生じさせる盛土▽高さ2b超の崖を生じさせる切土―などを規定。また、一時的な「土石の堆積」についても、高さが2bを超えたり、堆積面積が500平方bを超える場合は規制対象とする。
規制区域内で行う宅地造成や特定盛土、土石の堆積であっても、区画整理や第一種市街地再開発、住宅街区整備、防災街区整備などについては、土地所有者の同意が不要となる事業に位置付けた。
特定盛土や宅地造成で設置を求める「崖面崩壊防止施設」や、地盤・崖面、排水施設の技術基準も定めた。
一定以上の規模の宅地造成や特定盛土で、排水施設を設置する工程で中間検査を要することも規定した。
国土交通省は今後、不法盛土対策に関するガイドラインを公表する。法の施行後、都道府県などが速やかに規制区域を指定できるようにする。
提供:建通新聞社