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中央ニュース

2022/11/24

週休2日の確保 通期から月単位、質向上へ

 国土交通省は、直轄工事の週休2日モデル工事で、工期全体を通して週休2日を確保する従来の考え方を転換し、月単位での週休2日の実現を目指す。実現に向けた五つの方針案をまとめた。仕様書や基準類について週休2日を前提とした内容に修正することなどにも取り組む。
 五つの方針案によると、仕様書や監督・検査などの基準類を週休2日を前提としたものに改める他、工期設定に関わるガイドラインの見直しや、工期途中での交替制モデルへの変更、新たな経費補正の立案、都道府県や自治体などと連携した一斉閉所に取り組むこととした。直轄事務所と労働基準監督署との連絡調整も強化し、月単位での週休2日を実現する。
 国交省では、2016年度から「休日の量の確保」を目標に、直轄工事で週休2日モデル工事を実施してきた。順次実施件数を拡大し、21年度には全発注工事に占めるモデル工事の割合(実施率)が9割を超えた。23年度は実施率100%の達成を目指すこととしている。
 一方で、建設業団体が実施した調査によると、今夏の時点で、週休2日を達成できている建設企業は全体の2〜4割程度にとどまっている。直轄工事以外の都道府県や市区町村の発注工事、民間工事での浸透が十分でないことが要因だ。
 建設業への時間外労働の罰則付き上限規制適用が迫っていることもあり、国交省は、まずは直轄工事で休日の「量の確保」から、より計画的に休日を取得する週休2日の「質の向上」へと転換する。直轄での取り組みのレベルを引き上げることで、業界全体での週休2日の確保に向けた動きをけん引する。
 天候などによる施工状況の変化で急きょ休みを取るのではなく、より計画的に週休2日を確保する。技能者が計画的に休日を過ごせるようになれば、ワークライフバランスの充実、ひいては建設業の魅力向上にもつながる。

提供:建通新聞社