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2022/11/22

全国中小建設業協会・ブロック別意見交換会(4)中部

 全国中小建設業協会(全中建、土志田領司会長)と国土交通省は11月17日、2022年度の「全国ブロック別意見交換会」〈中部ブロック〉を名古屋市で開いた。同協会は、施工規模に見合った積算基準や、資材価格の高騰に対応する適正な価格転嫁などについて、受注者側の観点から問題点を提起。国や県の担当者が現状や対応方法などを説明した。
 意見交換には、全中建の会員団体から愛知県土木研究会(朝日啓夫会長)、愛知県舗装技術研究会(大矢伸明会長)、愛知県建築技術研究会(榊原譲副会長)などが参加。国交省からは不動産・建設産業局建設業課入札制度企画指導室の青木建吾課長補佐らが参加した他、中部地方整備局や愛知県などの幹部が出席した。
 開会に当たり土志田会長は、総務省・国土交通省が4月に通達した「公共工事の円滑な施工確保に向けた取り組み」に触れ、「入札契約制度が改善され、適正な利潤確保ができて初めて従業員の賃金アップなど処遇改善が可能となる。適正な金額による適正な工期を確保した発注の運用を地方自治体に徹底するよう指導をお願いしたい」とあいさつした。
 意見交換会の共通課題とした「働き方改革」では、同協会が施工期間の平準化などに加え、余裕期間制度(フレックス方式)や、発注者指定型の拡大などを要請。発注者側は、適正な工期設定に努めた上で、本官・分任官工事で発注者指定型を適用している状況を説明した。
 地域の課題では、大矢会長が施工箇所(工事)に見合った積算基準(工事標準歩掛)や積算単価の設定について、舗装道修繕などの具体例を示し、「部分的な修繕工事などでは、標準積算と実勢価格と大幅なかい離が生じている」と指摘。小規模工事での適切な積算単価や、歩掛単価の設定を求めた。
 これに対して、発注者側は「施工を的確に反映して積算するのが発注者の役割」とし、「かい離が生じた事例を本省・整備局とも情報を共有する」と検討する姿勢を示している。
 この他、同協会は▽適正な利潤の確保に向けた失格ラインの引き上げ▽プラント維持費用を踏まえた、舗装工事の適正価格、適正工期での発注▽資材高騰対策―などを要請。国側は最近の施策や、検討状況などを説明した。(地方建設専門紙の会・建通新聞社)