建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録技能者数が100万人を超えた。10月末時点で102万人となり、技能者の3人に1人が利用する水準に至った。今後の展開について斉藤鉄夫国土交通相は11月15日に会見し、「技能経験に応じたレベル別の賃金目安を示し、職種ごとに賃金が上昇していくよう促していく」と述べた。
CCUSは、技能者の資格や就業履歴を蓄積し、技能レベルを4段階で評価することで、技能者の適切な処遇につなげるシステム。業界団体と国が連携して、2019年4月に運用を始め、ことし10月末時点で登録技能者数が102万4269人に達した。全国の建設技能者数は309万人とされ、3分の1の技能者が登録したことになる。
国交省では、レベル別の賃金目安を具体的に示すことで、若い世代がキャリアパスの見通しを持てるようになり、CCUSのさらなる普及につながるとしている。最終的に建設業に携わる全ての技能者、事業者の登録を目指す。
レベル別の賃金目安について国交省の担当者は、今後検討し、来夏までに示すとした。
斉藤国交相は「CCUSが業界共通の制度インフラとなれば、重層下請けなど建設業が長年抱えてきたさまざまな課題の解決にも活用できるようになる。職人が誇りを持って働ける現場を作っていくために、何としてもCCUSを成功させたい」と力を込めた。
提供:建通新聞社