政府が11月8日に閣議決定した2022年度2次補正予算案のうち、国土交通省の関係予算は総額2兆0216億円(国費)となった。このうち公共事業関係費は1兆6174億円。3年目となる『防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための5か年加速化対策』に関連する公共事業に大半の国費1兆0358億円を充てる。公共事業関係費は、昨年の同時期に編成した21年度補正予算での1兆5706億円を460億円ほど上回る規模となった。
22年度補正予算案は、10月に閣議決定した「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」の財源となるもので、公共事業関係では、流域治水や国土幹線道路ネットワークの機能強化、道路インフラの局所的な防災・減災対策、重要インフラの老朽化対策などを盛り込んだ。
このうち気候変動の影響で激甚化する自然災害に対し、官民のあらゆる関係者が協働で取り組む「流域治水」の推進に2431億円を確保する。災害に強い国土幹線道路ネットワークの機能強化対策には1730億円を投じ、高速道路のミッシングリンクの解消などに取り組む。
道路インフラの局所的な防災・減災対策では622億円を配分。盛土対策や無電柱化を活用した避難施設整備を進める。
インフラの老朽化対策は、河川・ダム・道路・鉄道・港湾などの修繕に1636億円を充てる。予防保全型インフラメンテナンスに転換しながら早期対策が必要な施設の修繕を集中的に実施する。
この他、インフラ分野などのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に45億円、GX(グリーントランスフォーメーション)には63億円を配分した。建築・都市のDX推進では、3D都市モデル(PLATEAU)の整備・活用・オープンデータ化や建築BIMを活用する中小事業者の建築プロジェクト支援などに95億円を投入する。
デジタル技術を活用したインフラの整備、管理などの高度化へは163億円を計上。ICT環境整備、施工の自動化・遠隔化の基準類策定に向けた現場検証などに取り組む。
非公共事業では人への投資として建設キャリアアップシステム(CCUS)の導入促進に5億5000万円を配分。本体システムを改修し現場管理の効率化につなげる。
国庫債務負担行為は工期3年以上の工事が対象となる事業加速円滑化国債に837億円、ゼロ国債に777億円を見込む(いずれも事業費ベース)。補正で増額する公共事業を含め発注平準化のための措置とする。
提供:建通新聞社