国土交通省は、建設キャリアアップシステム(CCUS)から出力できるデータのうち、施工体制台帳に反映できる登録データの範囲を広げる。必要経費を臨時国会に提出予定の補正予算に計上し、システムを一部改修する。2023年度中に稼働させ、建設現場のバックオフィス業務の効率化につなげる。
CCUSの登録現場では、着工する際に、元請けの現場実務者が施工体制登録に必要なデータの入力・登録作業をインターネット上(CCUSの登録画面)で行っている。登録したデータは施工体制台帳に自動的に反映され出力できる。ただ、現行のシステムでは、反映できるデータが、元請けと下請けの事業者名や工事名称、現場住所、工期などに限られる。発注者への提出時などに必要となる、許可業種や外国人従事の有無、発注者情報などの一部データは自動で反映されていない。
元請けなどの現場実務者は、施工体制台帳を提出する際、CCUSから施工体制台帳をデータでいったん出力し、パソコンに取り込んだ上で、自動で反映されなかったデータを手入力しているという。
システム改修では、施工体制台帳に自動で反映できるデータ範囲を広げるとともに、CCUSの登録画面から施工体制台帳に直接入力できる機能も設ける。実務者の使い勝手をよくし、CCUSの利用促進につなげる。
システム改修に併せて、現場に設置するカードリーダーとCCUSをつなぐ就業履歴登録アプリ(建レコ)も改修する。改修により安価なカードリーダーの設置が可能になる。現状、現場に設置できるカードリーダーの価格は1万〜3万円とされるが、3000円程度のカードリーダーも使えるようになる。
提供:建通新聞社