全国中小建設業協会(土志田領司会長)のブロック別意見交換会が、11月1日に山形市で開かれた東北ブロックを皮切りに始まった。働き方改革や資材価格高騰をテーマとした東北の会合では、全中建側がさまざまな給与体系の企業が携わる建築工事での、統率の取れた休暇取得の難しさを指摘。これに対し国土交通省が、公共工事では週休2日実現へ適切な補正を掛けるといった対応に努めるとの姿勢を示した。
意見交換会には、全中建から小野徹副会長、河ア茂副会長、山形県建築協会の市村清勝会長、国土交通省不動産・建設経済局建設業課入札制度企画指導室の児玉和久室長らが出席。全国共通の課題として、働き方改革について意見交換したほか▽人材の確保▽DX化への対応▽建築資材の高騰による物価スライド―をテーマに議論した。
働き方改革をめぐって、全中建は週休2日に加えて年次有給休暇・育児休暇などの取得も課題となっている点を指摘。特に現場では、月給制、日給月給制などさまざまな給与体系の協力会社が施工に関わっていることが現場の週休2日を進める上で困難となっていることなどを課題として提示した。
人材確保では、若手の確保に苦慮しているという全中建の声に対し、国交省が設計労務単価の10年以上上昇している点を説明。ただし、重層構造となっている現場で、実態として適切に賃金が支払われているかが課題とし、労務単価に見合った給与が末端まで支払われる業界としていくことが重要との見解を提示した。
DXの推進について山形県は、土工がある工事は原則としてICT活用工事の対象とするなど、まずは実績を伸ばしていきたいとの方針を示した。
資材価格高騰については、全中建が民間工事への価格転嫁が難しく経営を圧迫している点や、スライドの運用時の複雑さを指摘。
これを受けて東北整備局が、スライドの運用改定といった対応状況を説明。また、単品スライドとインフレスライドのどちらを活用すべきかについて、整備局として相談に応じていることなどを紹介。発注者間で対応にばらつきが出ないよう、情報共有にも努めるとの姿勢を示した。「地方建設専門紙の会・建設新聞社」
提供:建通新聞社