政府による新たな総合経済対策がまとまった。物価高を克服し、構造的な賃上げや人への投資を進め、日本経済を持続可能な成長経路に乗せる。全体の対策規模は財政支出ベースで39兆円。このうち国土強靱(きょうじん)化や外交・安全保障など、「国民の安全・安心の確保」に向けた対策は10・6兆円を見込んだ。経済対策の裏付けとなる2022年度第2次補正予算の速やかな編成、早期成立を目指す。
「国民の安全・安心の確保」に向けた国交省関係施策では、5か年加速化対策に基づく、気候変動を見据えた官民連携による「流域治水」の取り組みや、災害に強い交通ネットワーク・ライフラインの構築などを進める。予防保全型のインフラ老朽化対策や災害対策でのデジタル技術の活用にも力を入れる。
この他、「人への投資」の関係施策として、技能者のスキル向上・処遇改善に向けた建設キャリアアップシステム(CCUS)の導入促進を盛り込んだ。CCUSの本体システムを改修し、利用者の使い勝手をさらに高めるとともに、元請けがより安価なカードリーダーを現場に設置できるようにする。人への投資に向けて政府は、3年間に4000億円規模としてきた現行路線を大幅に拡充し、5年で1兆円規模の投資を打ち出している。
資材価格高騰を踏まえた資金供給強化にも取り組み、融資事業の運用を見直し、地域建設業の手元の資金繰り改善につなげる。
経済対策の実現に向けては、財政の単年度主義の弊害是正にも取り組むとした。
提供:建通新聞社