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2022/10/31

全国建設業協会地域懇談会・ブロック会議(7)北陸

 北陸地区建設業協会(新潟・富山・石川県建設業協会)と国土交通省、全国建設業協会(全建)による地域懇談会が10月27日、富山市のホテルグランテラス富山で開催された。協会側が要望した公共事業予算の持続的・安定的な確保や働き方改革の推進などの諸課題に関して双方で意見を交わし、認識を共有した。
 国交省から増田嗣郎大臣官房審議官(不動産・建設経済)、見坂茂範大臣官房技術調査課長、岩下泰善不動産・建設経済局建設業課長ら7人、全建から奥村太加典会長ら8人、各県建協は新潟が植木義明会長ら7人、富山が竹内茂会長ら14人、石川が平櫻保会長ら6人、長野はオブザーバーとして木下修会長ら2人がそれぞれ出席した。
 冒頭、富山建協の竹内会長が「事業量の地域間格差・企業間格差が拡大化し、地方では依然として経営が厳しい企業が少なくない。整備が遅れている地方部に重点配分し、地域間バランスの取れた予算配分を行うことが重要。建設資材の高騰が続いており、品確法がうたう適正な利潤確保の観点から、よりリアルタイムな実勢価格の反映が大切」と述べた上で、「担い手を確保・育成し、優れた技術や技能を継承するため、適正な利潤の確保に加え、働き方改革の推進や生産性向上への取組強化等が盛り込まれた新・担い手三法、発注関係事務の運用に関する指針が、地方公共団体に一層浸透し徹底される必要がある。北陸地区の実情を理解いただき、国土交通省からは前向きな発言や適切な助言を賜りたい」とあいさつ。
 続いて、国交省の増田審議官が「来年度の予算・事業量が十分確保できるよう最大限努力をしている。処遇改善のための賃金水準の引き上げは、概ね3%の上昇を官民一体となり取り組むことを確認したところ。賃金の上昇が労務単価の上昇につながる好循環を維持できるよう、ダンピング受注を慎み、適切な請負金額での下請契約の締結と技能労働者への適切な賃金の支払いをお願いしたい。建設キャリアアップシステムはさらなる登録者数の増加へ、技能者が現場で利用するよう元請企業による環境整備を強化することが重要。働き方改革では週休二日定着の取組を強化する」、見坂課長が「週休二日の定着へ、これまで以上に工事書類や手続きの簡素化に取り組む。ICT活用などによる現場の生産性向上へ、いろんな形で支援したい。資材価格高騰への対応では最新価格で予定価格を組み、契約することが大事。契約後に高騰した場合は、適正な設計変更で価格転嫁を図る。こういった取組を発注者としてしっかり進める」と話した。
 全建の奥村会長は「地域懇談会は、地域建設業が直面する諸課題について官民が問題意識を共有し、双方が解決に向けた具体的な取組を進める趣旨で開いており、大変重要な会議と位置付けている。地域建設業が地域の守り手として安定した経営基盤を築いていくには、防災・減災・国土強靱化のための5か年加速化対策への取組など社会資本整備を着実に進めることが不可欠。きたんのない意見を積極的に発言いただき、有意義な会議としたい」と述べた。
 全建から「国土強靱化を推進し、社会的使命を果たし続けるサステナブルな地域建設業であるために」をテーマとして、▽公共工事の円滑施工と予算確保▽働き方改革と処遇改善、CCUS▽「地域の守り手」としての地域建設業の信頼性の向上等−の議題が出され、双方で意見を交換。
 北陸地区建設業協会は、@公共事業予算の持続的・安定的な確保と国土強靱化の推進(富山)A地方公共団体などにおける新・担い手3法および「発注関係事務の運用に関する指針」の遵守状況の検証と強力な指導(同)B担い手確保に向けた環境整備(石川)C資材価格の急激な変動に対する適時・適切な対応(同)D適正な工期設定(新潟)EICT活用工事の普及拡大に向けた環境の整備(同)F工事施工の効率化(同)−の議題について、それぞれ趣旨を説明し、国交省側が所見・意見を述べた。(地方建設専門紙の会・北陸工業新聞社)

提供:建通新聞社