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2022/10/21

全国建設業協会地域懇談会・ブロック会議(4)東海

 第69回建設業協会東海4県ブロック会議が10月19日、岐阜市内で開かれ、4県(岐阜・静岡・三重・愛知)の建設業協会が国土交通省と意見を交わした。4協会は、防災・減災、国土強靭化対策や建設キャリアアップシステム(CCUS)について提言。また、高騰する建設資材価格などへの迅速かつ適切な対応、民間工事における適正工期の確保を求めた。
 当日は、国土交通省の他、静岡県の林聖久建設経済局長、三重県県土整備部の上村告副部長、愛知県の桑原良隆土木部長、岐阜県県土整備部の大野真義部長ら各県幹部が出席。業界からは4県の役員に加え、全国建設業協会の奥村太加典会長ら本部役員が多数駆け付けた。
 開会に当たり、開催県となる岐阜県建設業協会の各務剛児会長は、「自然災害が多発する中、われわれ地域建設業が地域の安全・安心の担い手として重要な役割を担っていると自負している」とあいさつ。「新型コロナウイルス、人手不足、働き方改革の推進など課題は山積しているが、将来にわたり健全で持続的な発展が図られるよう、4県が連携して国土強靭化や地域活性化につながる社会資本整備にしっかり取り組んでいきたい」と意気込みを語った。
 続く来賓あいさつでは、古田肇岐阜県知事が「地域建設業は安心安全の要。業界の抱える課題は十分に認識しており、産学官が連携して解決に向けて取り組んでいけるよう支援したい」と業界の現状に理解を示した他、国土交通省の笹川敬大臣官房審議官(不動産・建設経済)が「担い手を確保・育成するためには、賃金上昇をはじめとする労働環境整備が欠かせない。業界の声をしっかりと聞きながら事業推進に取り入れていきたい」と述べ、忌憚(きたん)のない意見交換を求めた。
 議事ではまず、岐阜建協が「全国各地で頻発する地震や、局地的な豪雨などで大規模な土砂災害や河川氾濫が発生し、国民の生命や財産が脅かされる状況にある」と指摘。その中で「コロナ対策や防衛費に予算が割かれ、国民の安全・安心の支えとなる社会資本整備が後回しにされるのではないか」との懸念を示し、「5カ年加速化対策を着実に進めるとともに、第3弾となる対策の検討をお願いしたい」と訴えた。
 続いて、静岡建協は、協会員を対象に7月に実施したアンケート結果を紹介し、「世界的な資源・資材価格高騰の影響が深刻で、これが続けば、地域建設業は健全な経営の維持が困難となる可能性がある」と説明。対策として「スライド条項の円滑な運用」「適切な設計単価の設定」「スライド条項での受注者負担の軽減」を求めた。
 続く三重建協は、「CCUS」について言及。「専門工事業者の施工能力をカード保有者数やレベルの状況で評価することが難しい」とした上で、CCUSのレベルと施工能力を示す「新たな指標」や、「運用に係る経費や諸経費を工事請負代金外で支払う仕組み」の検討を要望した。
 最後に、愛知建協は、「建設業の担い手確保が喫緊の課題であり、若年労働者の入職促進や定着を図っていくためには、長時間労働の是正や週休2日の確保が極めて重要」と提言。特に「民間工事では、コストと工期が事業遂行上の重要な要素となっており、週休2日の確保が困難な状況にある」と指摘し、「民間工事の発注者や設計者などが、計画・設計段階から適正な工期を確保する」ことを、関係機関が周知徹底・指導することが必要だと訴えた。(地方建設専門紙の会・建通新聞社)

提供:建通新聞社