財務省は、10月19日に開いた財政制度審議会の歳出改革部会で、安全保障上のニーズを踏まえた公共インフラ整備を求めた。有事に自衛隊などの利用が想定される空港、港湾施設が対象。国土交通省が関係省庁と連携し、整備や機能強化を行う仕組みの新設を提案した。
防衛力を効率的に強化する議論の一環として提起した。空港や港湾は、有事に自衛隊・海上保安庁が優先的に利用する「特定公共施設」に当たる。この他、大規模災害時に自衛隊が活動する広域防災拠点なども対象となる。公共インフラの整備の他、政府研究開発などでも防衛省との連携を求めた。
また、防災・減災、国土強靱(きょうじん)化の取り組みについては被害軽減の実績もあり「成果が出ている」と評価。一方で、成果の指標が整備されていないとして、適切な手法の検討を求めた。
地域公共交通もテーマに挙げた。地域ニーズを満たしながら財政負担を最小化するため、鉄道からバスへの転換など多様な交通手段の活用を促した他、まちづくりや国土政策、道路政策など他の政策と連携させて取り組む必要あるとした。
提供:建通新聞社