全国建設業協会(全建、奥村太加典会長)の2022年度四国ブロック会議として、四国建設業協会連合会(四建連、会長・井原伸愛媛県建設業協会会長)と国土交通省や四国4県などが10月13日、松山市内で意見交換会を開いた。四建連は、国交省が発注時期や工期の平準化に向けて予算の繰り越しを活用していることが「現場の(施工)能力を超えた予算措置」と一部メディアで批判されていることに対して、「われわれ(地方)にも施工余力はある。公共事業の不要論とならないよう、全建からも積極的に情報発信をしてほしい」と要望。奥村会長は「建設業には十分な施工能力があるが周知されていない。(正しい情報が伝わるよう)PRの方法を検討したい」と応じた。
四建連はまず、国に対し公共事業予算の確保と四国への重点的な配分、防災・減災対策の強力な推進を求めた。国交省は「10月末をめどに総合経済対策を取りまとめる。その財源として補正予算を編成する」との方針を示した。23年度予算についても「前年度比1・19倍を要求しており、防災・減災、国土強強靱(きょうじん)化のための5か年加速化対策、資材単価の高騰を踏まえた公共事業の実施に必要な予算についても確保できるよう調整していく」と答えた。
四建連は次に、南海トラフ巨大地震に備えた対策、高速道路のミッシングリンクの解消と4車線化が必要だと訴えた。
国交省は、緊急輸送道路のネットワーク化や橋梁などの耐震化を促進している現状を紹介するとともに、暫定2車線と4車線では災害や事故発生時の影響や効果が大きく違うとして「四国でのミッシングリンク解消と、優先整備区間に位置付けている延長125`区間の4車線化を着実に進めていく」と述べた。
四建連は働き方改革と担い手の確保・育成の必要性にも言及。現場の週休2日制や賃金水準の向上に向けた設計労務単価の設定や、日給制の技能労働者の休日増に伴う収入減への対応が必要だと訴えた。
同省は、労務単価について「12年度以降、10年連続で上昇している。労働者の賃金アップにつなげることで翌年の労務単価がアップするという好循環を続けることが重要」と強調し、労務単価を賃金に適切に反映することが重要だとした。
四建連はこの他、インフラ分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進と必要な費用の確保を要請。同省は諸経費動向調査に基づき「実態に即した経費の改定を行うこと」や、3次元起工測量や3次元設計データ作成など共通仮設費や現場管理費に含まれていない経費については「見積もり徴集を行った上で別途積み上げ計上していること」を説明し、事業推進への理解と協力を求めた。(地方建設専門紙の会・建通新聞社)
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