国土交通省は、2023年1月から監理技術者等(監理技術者と主任技術者)の専任要件を緩和し、専任が不要となる請負金額の上限を4000万円未満に、特定建設業の許可が必要となる下請け金額の下限を4500万円以上にそれぞれ引き上げる。建設業法施行令の一部を改正する政令案をまとめた。パブリックコメントを11月10日まで実施、23年1月1日に施行する。
監理技術者等の専任要件は、16年に現行の専任不要上限額3500万円未満(建築7000万円未満)を設定した。今回は、建設工事費の相場(建設工事費デフレーターの推移)や消費税の上昇を踏まえ、専任が不要となる請負金額の上限額を4000万円未満(建築8000万円未満)に引き上げる。
併せて、特定建設業許可の許可と監理技術者の配置、施工体制台帳などの作成が必要となる下請け金額の下限も見直し、現行の4000万円以上(建築6000万円以上)を、4500万円以上(建築7000万円以上)に引き上げる。
下請けの主任技術者の配置を不要とすることができる、特定専門工事の下請け金額の上限も3500万円未満から4000万円未満に見直す。
技術者制度ではこの他、請負金額が4000万円以上1億円未満の工事でICTを活用した場合に監理技術者等の兼任を2現場まで認める新たな兼任制度を創設する予定だが、法改正が必要となるため、施行令改正だけで対応できる専任不要上限額の引き上げを先行する。
この他、政令案には、技術検定の新たな受験資格を省令で定めることも明記した。
技術検定の受験資格については、学歴に応じて設定していた受験資格を年齢基準に見直す。第一次検定は1級が19歳以上、2級が17歳以上なら学歴を問わず受験できるとする。一方で専門性の高い学校を履修した者は一部受験科目を免除できるようにもする。第二次検定では1級の場合、1級技士補としての実務経験3年、2級で2級技士補としての実務経験3年などを求める。
具体的な内容は省令、告示として今冬に固め、24年4月1日の施行を目指す。
提供:建通新聞社