国土交通省は、建設現場の生産性向上につながる優れた取り組みを表彰する「i−Construction大賞」を、2022年度から「インフラDX大賞」に改称し、募集対象を拡大する。さらに「スタートアップ奨励賞」を新設し、スタートアップ企業を一層後押しする。10月7日に開いたi−Construction推進コンソーシアムの委員会で表明した。
i−Con大賞の改称には、より幅広くインフラ分野全体のDXに資する取り組みを後押しする狙いがある。ICT施工をはじめインフラの整備、管理をフィールドとしている「i−Construction」に代えて、インフラの利用やサービス向上までをターゲットとした「インフラDX」を前面に押し出し、ソフトウエアや通信業界なども含めた参画を促す。
コンソーシアムでは、ベンチャーキャピタルの運営に携わる岡橋寛明みやこキャピタル代表取締役が、スタートアップ奨励賞の新設を評価。助太刀やアンドパッドなどがi−Con大賞の受賞後に大きく成長したことに触れ、受賞者のメディア発信にも注力するよう注文した。
岡橋氏は、スタートアップ企業の研究開発を補助金や委託で後押しするSBIR制度をインフラ分野で活用することを提案。国交省の調達でスタートアップによる技術開発、現場実証を推進するよう求めた。
この他、地方の中小建設業のDXを促すため、地方銀行などの金融機関と連携するよう求める意見もあった。
佐藤寿延技術審議官は、SBIRの活用に前向きな考えを示した。また、スタートアップ企業向けの窓口を省内に設けるよう検討していることも明かした。
提供:建通新聞社