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2022/10/12

再エネ適正導入へ提言 認定手続きを厳格化

 経済産業省の有識者検討会は、再生可能エネルギーの適正な導入・管理に向けた提言をまとめた。国に対し、再生可能エネルギー特措法に基づく事業の認定手続きの厳格化を提案。森林法の林地開発許可対象エリアや、盛土規制法の規制区域など開発に許可が必要な地域での再エネ事業の申請に対し、関係法令の許認可取得を要件化するよう求めた。
 再エネ設備は導入が急速に拡大しており、規制区域内で許認可を得ないままの開発や、地域住民とのトラブルが表面化している。今回の提言では、再エネの計画立案から固定価格での買い取りに向けた認定申請、土地開発など事業の段階ごとに強化すべき対策をまとめた。
 土地開発より前の段階では、事業に関係した法令の許認可を取得していない場合、再エネ特措法の認定を認めないなど、認定手続きの強化を提言。また、電気事業法に基づく工事計画や使用前確認結果の届け出でも、確認の強化などの制度的措置を検討するよう促した。
 運転を開始している再エネ設備に対しては、特に災害リスクが高い箇所で優先的に立ち入り検査を実施する。また、法令違反が見つかった場合、売電収入の交付を留保するような制度の新設も検討すべきとした。
 発電設備の廃止・廃棄段階では、特に2030年代後半に大量廃棄が想定される太陽光発電に焦点を当てた。廃棄物処理業者に対するヒアリングを通じて課題を明確化するよう提案。リサイクルの促進や、義務的なリサイクル制度の活用も視野に対応の検討を求めている。
 事業全般に関わる課題として、安全な設備施工や保守点検が可能な人材の育成、確保を挙げた。また、一定規模以上の発電設備に対しては再エネ特措法の申請時に地域説明会の周知を義務化するなど、制度的な措置を検討する必要があるとした。

提供:建通新聞社