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2022/10/11

投資見通し 名目プラスも実質はマイナス

 建設経済研究所と経済調査会は10月7日、2022年度の建設投資見通しをまとめた。急激な物価高騰を踏まえ、22年度の建設投資総額の名目値として、前年度比3・6%増となる63兆4500億円を見込んだ。7月推計を1・0ポイント上回り、6000億円上方修正した。一方、物価高騰分を反映しない実質値は2・3%減の52兆8378億円と推計。名目値と実質値の前年度比の差が5・9ポイントとなり、前回の7月推計よりもさらにかい離した。名目値と実質地のかい離は近年例を見ない状況としている。
 建設投資の名目値を項目別に見ると、政府建設投資は前年度比1・7%増(23兆3300億円)、民間住宅投資が3・0%増(16兆5700億円)、民間非住宅投資が7・3%増(17兆3400億円)、民間建築補修が2・1%増(6兆2100億円)と全ての項目で増加を見込んだ=グラフ参照。
 政府建設投資については、全体的に執行状況が思わしくないとしながらも、20年度第3次補正予算の一部が22年度に出来高として実現すると想定。22年度当初予算と地方単独事業で微増を見込んだ。
 民間住宅投資は、持ち家の需要に陰りがみられるが、貸家への投資が好調とし、名目値ベースで微増とした。
 民間非住宅投資は全体として底堅く推移していると分析。企業の設備投資も回復しており、前年度を上回る水準で増加すると予測した。コロナ禍で需要が拡大した倉庫・物流施設だけでなく、工場も堅調に推移すると予測。ホテルやデータセンターも好調を維持する見通し。一方で、ウクライナ情勢などを踏まえ、資材価格の動向を注視する必要があるともした。
 民間建築補修投資は、新しい生活様式のニーズが引き続き高まるとしている。

提供:建通新聞社