2023年1月に施行する経営事項審査で、建設キャリアアップシステム(CCUS)のカードリーダー設置が加点評価の対象となる。国土交通省がアンケート調査を行ったところ、1000社を超える建設企業が民間工事を含めた全ての現場にカードリーダーを設置する意向を示した。経審改正がCCUSのカードリーダー設置を、さらに推し進めることになりそうだ。
CCUSの事業者登録済みの経審受審企業に、現時点での見通しを聞いた。有効回答企業数は9585社(元請け総合工事業者5026社、設備・専門工事業者4106社、その他商社など453社)。
結果によると、民間工事を含む「全建設工事で実施する」と回答した企業は、総合工事業で1030社、設備・専門工事業で843社に上った。
総合工事業では、494社が「全ての公共工事で実施する」、3020社が「活用を検討する」とも回答。回答者の元請け完工高が申告ベースで16兆7000億円に及んでいることもあり、国交省は、経審加点により、CCUSのカードリーダー設置がさらに進むことに期待を寄せる。
CCUSについては、年内にも登録技能者が100万人を突破する見通し。登録を促す段階を経て、就業履歴の蓄積を含めた活用促進に重点を置く状況になっている。
加点評価は、元請け企業がカードリーダーを建設現場に導入し、技能者の就業履歴の蓄積に取り組んでいれば、W評点で最大15点を加点するもの。国交省が8月に施行規則を改正した。23年1月に施行し、同年8月14日以降を審査基準日とする申請から適用を始める。
具体的には、元請け企業がことし8月15日以降に施工した公共工事と民間工事のうち、災害応急工事や軽微な工事を除く全ての建設現場で、CCUSの現場登録とカードリーダーを設置していれば15点(公共工事だけなら10点)を加点。担い手の確保・育成に向け、技能者の適正な評価を行うための環境の整備を後押しする。
提供:建通新聞社