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2022/10/06

プレキャスト工法 港湾工事で導入促進

 国土交通省は、港湾工事でプレキャスト工法の導入を進めるため、評価手法の検討に入った。工事コストや工期、品質など七つの評価項目を設定し、AHP(※)とVFMの評価手法により導入の可否を判断できるようにする。10月5日に「港湾工事におけるプレキャスト工法導入促進検討会」の第1回会合を開いた。
 評価項目は「工事コスト」「工期」「省力化・省人化」「品質」「維持管理性」「安全性」「環境負荷」の七つを想定。それぞれ重み付けし、AHPとVFMの評価手法を用いて他工法と比較する形で数値化、総合点の最も高い工法を選ぶようにする。
 プレキャスト工法は、他の工法と比べ工事コストが一般的に割高なものの、工期の短縮や施工性・安全性の向上、ライフサイクルコストの縮減などでの効果が大きいとされる。
 発注者と建設業団体へのアンケート調査では大半が、プレキャスト工法を採用した理由として、工期短縮効果を挙げた。潮待ちが必要な現場ではプレキャスト工法導入への期待も大きい。
 国交省では、コストを意識しながらもこうした現状に対応するため、総合評価による新たな工法選定プロセスの導入が必要と判断。評価手法を整理し、プレキャスト工法導入の判断基準を示すマニュアルをまとめることとした。
 第1回会合では、評価項目と評価手法を提案するとともに、マニュアルの骨子案を示した。次回会合で、実現場の条件を評価手法に当てはめて試算を実施、妥当性などを確認する。今後の議論では、設計面から接合部と継ぎ手部の基準類についての検討も進める。
(※)AHP(階層分析法、Analytic Hierarchy Process)は二つ以上の評価基準がある中で意思決定する方法。価格は安いが品質が悪い製品と、価格は高いが良質の製品のどちらを購入するかを考える時などに使われる。

提供:建通新聞社