環境省は、国・独立行政法人が発注する建築設計業務で、「環境配慮型プロポーザル」の活用をさらに加速させる。未実施の発注機関を対象にフォローアップ調査を行う他、脱炭素につながる技術提案テーマを参考情報として提供。公共建築のネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)化を促し、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラル(CN)の達成につなげる。
国や独立行政法人がプロポーザル方式を適用した設計業務を見ると、環境配慮型の採用率は20年度まで60%前後で推移。20年10月にCNの政府目標が決定され、21年度には79・8%へと採用率が急上昇した。環境省はさらに実施率を高め、公共建築の環境性能を持続的に向上させたい考えだ。
具体的には、建築物のZEB化や、再エネの最大限の導入などを前提とした上で、さらに省エネ対策の徹底や脱炭素につながる技術提案テーマの設定を促す。
また、環境配慮契約法に基づく基本方針の解説資料を改訂し、ZEBレベルの環境性能を求めることとする。
環境配慮の余地がなく、環境配慮型プロポを採用できないと発注機関が判断した設計案件についても内容を精査する。必要に応じてフォローアップ調査を行い、環境配慮型プロポの実施を徹底する。
環境配慮契約法基本方針の改定案に盛り込み、23年2月の決定を目指す。
提供:建通新聞社