厚生労働省は、水管橋の適正な維持管理に向けて、関係する省令・ガイドラインの見直し方針をまとめた。水供給に大きな支障を及ぼす恐れがある場合、「おおむね5年に1回以上の適切な頻度」で点検することを明確化。目視だけでなく、目視と同等の状態把握が可能な方法で点検することも認め、デジタル技術を活用できるようにする。
和歌山市で2021年に水管橋の崩落事故が起こったことを踏まえ、維持管理制度を見直すことにした。9月27日に有識者検討会を開き、省令改正とガイドライン見直しの方針案を提示した。
点検頻度については、これまで「適切な時期に行う」としていたが、他のインフラと同様に「おおむね5年に1回以上」とする方針だ。
また、政府はデジタル技術を業務に生かす「デジタル原則」を定めている。水管橋の点検に際しても、ドローンや人工知能を活用できるよう、目視以外の点検を認める。
厚労省によると、全国にあるに水管橋は約14万6000カ所。約7割の水道事業者は5年に1回以上の頻度で点検を実施しているが、小規模な事業者ほど点検頻度が低い傾向があった。
省令・ガイドラインの改正は23年3月を予定している。
提供:建通新聞社