中小企業庁は、企業が創業する際の信用保証で、経営者保証を求めない新たな制度を創設する。このため、2023年度予算の概算要求に必要な経費を盛った。金融機関から融資を受ける際、経営者個人が債務を保証する慣行を見直し、新規創業を後押しする。
経営者保証を行うと、企業が倒産して融資を返済できなくなった場合、経営者個人が返済を求められる。金融機関にとっては取引リスクの低減になる反面、経営者にとっては新規融資のハードルが高まるため積極的な設備投資の妨げになることが指摘されていた。
経営者保証を行っている中小企業は20年時点で66%と高止まりしている。ただ、このうち8割以上の企業は経営者保証の解除を希望している。
中企庁はこうした現状を踏まえ、創業時以外の融資でも経営者保証に依存しない慣行の確立を目指す。信用保証に際して経営者保証が必ずしも必要ではないことを企業向けに広報する他、金融機関への働き掛けも強める。中小政策審議会の委員会で今後、議論を重ね、22年度内に新たな施策をまとめる。
提供:建通新聞社