日本電設工業協会(電設協)の山口博会長は9月15日の会見で、特定技能制度の業務区分が再編されたことを踏まえて、2023年秋にも自らが会長を務める関電工で受け入れを開始する考えを示した。電設協と連携しながら研修などの体制を整え、会員会社に水平展開する考えだ。
電設協はこれまで、特定技能制度への電工職種の追加を国土交通省に要望してきた経緯がある。業務区分再編に伴い、電気工事は「ライフライン・設備」に新たに分類され、受け入れが可能となった。
山口会長は今回の制度変更を「非常にありがたい」と歓迎。「受け入れの早期実現に向けて必要な条件整備を進めたい」と意欲を見せた。まずは早期に受け入れ可能な会社から対応を進め、契約や配属時のフォローなど、受け入れ体制に関する課題を確認。対応の成果を電設協の会員会社に共有していく。
契約終了後のガイドラインや、労働者の専門性を確保するための研修制度についてもさらに検討を深める必要があるとした。
この他、会見では資機材の高騰に伴う納入遅れが工期を圧迫している実態を説明。一方で残業時間の上限規制の適用が約1年半後に迫っており、短工期が労災の増加につながることへの懸念を示した。「働き方改革と安全を両立させなくては」と述べ、特に民間工事で適正工期の確保をさらに粘り強く訴えていくとした。
提供:建通新聞社