日本空調衛生工事業協会(日空衛、藤澤一郎会長)が会員企業を対象に行った調査によると、2021年度の残業時間が法の原則上限とされる「年間360時間」以内だった社員は全体の49・4%だった。このうち工事部門は35・1%で、設計・積算や営業部門などと比べても残業が多い傾向が改めて浮き彫りになった。月8休以上の取得率は着実に上昇し、全体で77・6%、工事部門でも67・4%となった。
アンケートは年度ごとに実施。今回、調査を開始した17年度から比較可能な38社の回答を集計した。
働き方改革関連法では、年間の残業時間の上限を原則360時間、労使の合意がある場合に720時間と設定。建設業は24年度まで上限規制の適用を除外されており、日空衛では調査を通じて現状を把握しながら働き方改革を促していく。
年間の残業時間を見ると、回答企業の社員全体の86・2%が「720時間以内」と回答し、前年度から2・8ポイント増えた。工事部門に限ると78・9%と全体より割合が小さかった一方で、上げ幅は3・5ポイントアップと大きかった。
休日の取得状況を見ると、月8休以上は全体の77・6%で1・9ポイントアップ。工事部門に限ると67・4%で2・5ポイントアップした。
日空衛は21年度末までの目標として、「年間残業960時間以内」と「単月100時間未満」の達成を設定。しかし、いずれも工事部門を中心に超過した社員が1%前後あり、未達となった。
提供:建通新聞社