国土交通省の直轄工事で、2021年度の週休2日工事の実施率が97・4%となり、初めて9割を超えた。前年度比で8・9ポイント伸びた。週休2日の実現に向けて国交省が目標に掲げる「23年度での実施率100%」の達成が見えてきた。達成後は、より計画的な休日取得を見据えた週休2日の「質の向上」に取り組みの焦点が移っていくことになる。
21年度の直轄工事は全7492件(22年3月末時点、営繕・港湾空港除く)を公告、うち7300件について週休2日を実際に確保できた。実施率は97・4%(20年度88・5%)=表参照。
実施件数を方式別にみると、発注者指定による現場閉所が4018件で最多を占めた。以下、受注者希望による現場閉所が2546件、受注者希望による交替制モデルが415件、発注者指定による交替制モデルが321件で続いた。
国交省では4週8閉所を基本としつつ、「交替制」により4週8休を確保するモデル工事も実施。さらに22年度は「閉所」と「交替制」が選択可能な試行工事を実施することとしている。23年度から原則全ての工事を発注者指定とし実施率100%を目指す。
一方で、週休2日の実態として、例えば、悪天候などにより急きょ休みになるようなケースも多く見られたという。技能者に休日を休日として過ごしてもらうためにはより計画的に週休2日を確保していくことが不可欠となる。国交省では罰則付きの時間外労働規制の適用まで2年を切ったことも踏まえ、今後はより計画的に週休2日を推進する、週休2日の「質の向上」に力を入れるとしている。
提供:建通新聞社