国土交通省と経済産業省は9月6日、二酸化炭素を固定化してカーボンニュートラルに貢献する新たなコンクリートが、国交省の直轄工事で初めて試行的に活用されることを発表した。技術開発には鹿島とデンカ、竹中工務店が参画。鹿島が受注した高知県内の放水路トンネル工事で活用する。
このコンクリートは、製造過程で二酸化炭素を固定化し、実質的な排出量をマイナスにするもの。企業の野心的な取り組みを後押しするグリーンイノベーション基金の支援対象の一つで、新エネルギー・産業技術総合開発機構と国交省とも連携している。
試行現場は高知県日高村で、放水路トンネル工事などを行う「日下川新規放水路管理道整備工事」。作業坑を管理用通路として整備する際に、従来の木製型枠に代わって、二酸化炭素を固定化するコンクリートを用いた埋設型枠で側壁部を施工する。
施工性などを確認し、品質管理や、二酸化炭素の固定量の評価といった研究開発のさらなる促進に生かす。建設資材の中でもコンクリートの二酸化炭素排出量は大きく、国交省・経産省はこうした技術の開発・実装を促進することで建設現場のカーボンニュートラル実現につなげたい考えだ。
提供:建通新聞社