日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)は、週休2日実現行動計画の2021年度のフォローアップ報告をまとめた。目標である「4週8閉所以上」を達成した現場は37・9%で、前年度と比べ4・6ポイントアップした。工種別に見ると、公共工事主体の土木が9・7ポイントアップし50・0%に達した一方、民間主体の建築は1・5ポイント増の28・0%にとどまり、官民の工事での格差が際立った。
今回の調査は会員141社を対象に実施、103社が回答。事業所数は、土木6842現場、建築8402現場の計1万5244現場だった。
週休2日の形態では、「土日閉所を基本とした事業所」の4週8閉所以上は41・3%で、「土日閉所を基本としない事業所」の25・5%を大幅に上回った。
会員からは、「建築では、民間の集合住宅や物流施設の閉所率が極めて低い」と指摘があった。また、土木でも「鉄道関連や高速道路会社など発注者よっては達成率が低い」という声が出た。
今後の課題では「交代で休むなど、4週8休は企業努力で実現可能。しかし、4週8閉所は、発注者や技能者の理解不足や施工上の制約など、多くの問題が解消されない限り、実施率の向上には限界がある」といった意見が出た。
日建連は、技能者を含む週休2日のために4週8閉所を重視。17年に策定した週休2日実現行動計画では当初、21年度末までの全現場の4週8閉所を目標にしていた。しかし、21年度上期の達成率が40・8%だったことから、21年12月、目標達成時期を24年度末に延長した。
一方、時間外労働の上限規制が建設業にも適用される24年4月が迫る中、今後は、技術者の4週8休の取得状況も調査し、必要に応じ対策を検討する。
4週8閉所を拡大する上で民間工事が課題となっている現状に関して、7月20日の会見で宮本会長は、「国土交通省の力も借り、発注者の理解形成の取り組みを強化していく」と述べた。また、蓮輪賢治副会長は「適正工期算定プログラムなどを活用し、個別案件での交渉に努力したい」とした。
押味至一副会長は、技能者への対応に関して、「土日を休んでも職人にお金を出せるよう、生産性向上がわれわれに課せられた課題」と話した。
提供:建通新聞社