国土交通省は、建設発生土の不適正な処理への対策を強化するため、立ち入り検査の対象となる建設業者の範囲を拡大する。これまでは当該の事業年度の完工高「50億円以上」と規定していたが、「25億円以上」へと引き下げ、チェック機能を強化する。このため資源有効利用促進法の施行令の改正を予定しており、必要な政令案を8月下旬にも公布。2023年1月1日から施行する。
資源有効利用促進法では元請けの建設業者に対し、建設発生土の搬出先を記した再生資源利用促進計画書の作成・保存などを規定。取り組みが不十分な事業者に対しては立ち入り検査を実施した上で、勧告・命令できるとしている。
建設発生土を巡っては、直轄工事をはじめ公共事業では発注段階で搬出先を指定する取り組みが進んでいる。一方、民間工事では元請け業者の自主性に任せる例が多い。不適正な土砂処分が土石流などの災害リスクを高めている現状を踏まえ、チェック機能を強めることにした。
このため、現行よりも年度の施工金額が小さな会社にまで立ち入り検査できるようにする。対象として念頭に置くのは、民間を含めて地下階のある建物を年間複数件手掛けるような規模の建設会社だ。
国交省は別途、資源有効利用促進計画書を作成する対象工事を現行の「1000立方b」から「500立方b」へと拡大するとともに、計画書の保存期間を延長する省令案も作成。立ち入り検査の対象拡大とともに23年1月1日から施行する見通しだ。
提供:建通新聞社