文部科学省は、「学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議」で、「脱炭素化」を新たな課題に位置付けた。学識者で構成するワーキンググループ(WG)を7月28日に新設し、ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)の水準を満たす建物仕様の検討や、学校での二酸化炭素排出量の推計に取り組む。
政府は2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにするため、今後の建物新築事業で「ZEB Oriented」を目指すとの目標を設定。学校施設でもZEB化対応を加速させる必要があることから、WGで議論を深めることにした。
WGの検討テーマには▽地域によって異なるZEB基準を満たす建物仕様▽モデル建物での年間一次エネルギー削減量の試算▽学校施設の脱炭素化の実現に必要な整備量の試算▽学校施設における2050年までの二酸化炭素排出量の推計―などを挙げた。23年3月に報告書をまとめる。
この他、学校施設に関する新たな課題として、「質的改善」のWGも23年1月をめどに立ち上げる。子どもや学習内容の多様化に対応できる学校環境への転換をテーマに、新設・既存を問わず学校施設の在り方を議論していく。
提供:建通新聞社