厚生労働省は7月7日、建設現場の墜落・転落防止に関する実務者会合を開き、対策の素案を示した。足場の設置が困難な屋根上作業のマニュアルに、はしご・脚立からの墜落防止対策を盛り込むなど、大幅な見直しを加える方針を打ち出した。足場作業については、足場点検の確実な実施や本足場の使用の原則化、手すり先行工法に関するガイドラインの内容充実に取り組むとの方向性を示した。
会合は、建設業の死亡災害の約4割を占める墜落・転落災害への対策を強化するため、建設企業や関係団体、学識者が議論する場。
厚労省は、屋根・屋上の端、開口部からの墜落について、法令で定めた最低限の防止措置が講じられていない実態があることを説明。その上で、2015年度に建設業労働災害防止協会に委託して作成した屋根上作業のマニュアルに見直しを加えるとした。具体的には、はしご・脚立や2b未満の低所からの墜落、内装工事での墜落を対象とした対策を盛り込む。フルハーネス型墜落制止用器具の使用に関する政省令改正も反映するとした。
足場からの墜落・転落対策についても方向性を示した。本足場の使用を基本とし、一側足場の設置場所は幅が1b未満の場所に原則化する。
また、作業開始前、組み立て後でそれぞれ確実に足場点検が行われるようにするための方策も考える。検討会では、点検の実施者に十分な知見が必要な点を指摘する意見も出た。
手すり先行足場の工法ガイドラインの内容も見直す。枠組足場以外でも手すり先行工法に対応している事例を反映する。
提供:建通新聞社