全国商工会連合会が4〜5月に中小・小規模事業者を対象に行ったアンケート調査で、原油・原材料のコストアップが特に建設業の経営に大きな影響を及ぼしている実態が分かった。前年同期に比べて利益が「3割以上減少」という回答が33・6%に上り、サービス業や製造業、小売業など他の業種と比べて最も大きな割合を占めた。
原油高・原料高の経費への影響についても調査。建設業では「2〜3割増加」が56・3%、「4割以上増加」が8・7%を占め、いずれも全業種で最も多かった。
価格転嫁できない理由については、建設業は「他社との競合」が32%で最も多かった。
ロシアによるウクライナへの侵攻の影響については、「部品・資材の調達に困難が生じた」との回答が30・3%を占め、他産業の倍ほどに突出していた。
回答した建設企業からは、「建築資材の価格高騰に加え重機を動かす原油価格の高騰により利益が圧迫されている」「契約時より仕入れ値が上昇しており、見積時と発注次で金額が異なっている」といった声が上がったという。売上減少ではなく利益減少を条件とした給付金制度の実施を求める意見もあった。
調査は4〜5月に全国の商工会がアンケート・ヒアリングを併用して実施。612事業者から回答を得た。このうち建設業者は20・4%だった。
提供:建通新聞社