勤労者退職金共済機構建設業退職金共済事業本部(建退共)は、掛金納付の電子申請方式の普及に向けて、就労実績報告書作成での建設キャリアアップシステム(CCUS)との連携機能を8月以降強化する。CCUSの就業履歴を、元請けや一次下請けが建退共の就労実績報告作成に必要なデータとして一括して取り込めるようにする。
CCUSの就業履歴のデータを、建退共の就労実績報告に流用する場合、現在は就労者の直接の雇用主が個別にデータを取り込み、上位の下請けに順次手渡し、元請けや一次下請けが最終的に取りまとめる必要がある。また。元請けから下請けに対して、事前に工事の識別子を提供しなければならない。
これを改善し、CCUSの就業履歴にある必要なデータを元請けや一次下請けが一括して取り込めるようにし、就労実績報告作成の作業を効率化。特に下請けの負担を減らす。
7月29日に就労実績報告書作成ツールの改修版をリリース。8月から説明会を開始し、実施可能な企業から順次導入できるようにする。8月の就業履歴は9月10日以降にダウンロードできるようになる。
さらに、9月からは建退共の就労実績報告のデータをCCUSの就業履歴にも取り込めるようにし、カードリーダーのない現場での就業履歴や、カードリーダーへのCCUSカードのタッチ漏れを補完できるようにする。
また、7月以降、新たに建退共に加入する契約者には、特に申請がない場合でも電子申請専用サイトを利用できるようにする。加入を受付後、専用サイトへのログインに必要なIDと初期パスワードを記載した開通通知を郵送する。
[利用契約者は5%に]
建退共によると、電子申請方式の利用契約者は5月末現在、8766事業所となっており、共済契約者全体の約5%。6月に入って9000事業所を越えた。また、電子申請による掛金充当の利用率は、5月は全体の約1・6%だった。
勤労者退職金共済機構の岸川仁和建退共本部長は「建設技能者の処遇改善を目指すことでは、CCUSと建退共は車の両輪。連携を強化して利便性を高め、電子申請の利用契約者数については、2022年度中に全体の10%程度に拡大したい」と話している。
提供:建通新聞社