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2022/07/01

国内林業の成長産業化を JAPIC

日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)は、ウッドショックによる輸入材の入手難や価格高騰などを背景に、日本の林業の成長産業化の推進などを盛り込んだ政策提言を林野庁に行った。6月30日、JAPIC森林再生事業化委員会のメンバー9人が林野庁を訪れ、酒井秀夫委員長(東京大学名誉教授)が織田央長官に提言書を手渡した。
 提言の柱は▽国産材の安定供給のためのサプライチェーンの確立▽林業DX(デジタルツイン)への変革▽国産材の需要拡大▽地域での林業の担い手確保に向けた多様な生活スタイルと林業の両立―など。
 サプライチェーンの確立では、伐採から消費者までの長いリードタイムを短縮するインフラとして、ストックヤード(中間土場)や拠点貯蔵施設の増強をはじめ、コンクリート舗装などを含む林道整備のさらなる促進を求めた。
 林業DXへの変革では、国主導の航空レーザー測量などによる森林基盤情報整備、デジタルツインのオープンデータ化による森林の境界確定や国土強靱(きょうじん)化、グリーンインフラ整備の推進などを提案した。
 林業DXでは、日本の山林の42%を占める30度以上の急傾斜地での遠隔架線集材システムの導入なども提言している。
 国産材の需要拡大では▽住宅などへの国産材利用拡大に向けた課題の整理▽国産材を住宅の構造部材に使用した構造設計モデルの作成と普及・啓発▽国産材(スギ、ヒノキ、カラマツ、アカマツ)の枠組み壁工法(2×4)への活用推進―などを提案。
 さらに、中高層・大規模木造建築など非住宅分野での国産材の利用を推進するため、地域の木材流通の中核となる中間土場の高規格化や開設支援なども求めた。
 カーボンニュートラルに対応する、木質バイオマスの高効率なエネルギー利用なども示した。

提供:建通新聞社