中小企業基盤整備機構が中小建設業に4〜6月期の経営上の問題点を質問したところ、「材料価格の上昇」を挙げる企業が45%で最多となった。2021年の4〜6月期以降、1年間にわたって原料価格高騰が最大の課題となっている。
原材料や商品の仕入れ単価について、前年同期と比べて「上昇」と回答した割合から「低下」した割合を差し引いた「DI値」は82・1ポイント。前期(1〜3月)比で8・3ポイント増となり、6期連続して材料費に関するDI値が上昇している。
ヒアリングでは、見積時より金額が上昇しているにもかかわらず「割り増しで請求できない」(一般電気工事業)など、価格転嫁に苦労しているとの声が寄せられた。人件費も上昇傾向にあることで「収益低下に拍車をかけている」(板金工事業)との実態を指摘する意見もあった。
この他の経営上の問題は▽従業員の確保難(12・7%)▽官公需要の停滞(8・4%)▽材料の入手難(8・4%)▽民間需要の停滞(7・1%)−だった。
業況判断に関するDI値はマイナス14・7で、前期に続き「好転」よりも「悪化」の割合が大きかった。それでも、マイナス幅は前期より3・2ポイント縮小し、「好転」の割合が増した。
全国の商工会、商工会議所、中小企業団体中央会の情報連絡員が6月1日時点の状況について聞き取り調査を行った。建設業の有効回答数は2339件。
提供:建通新聞社