国土交通省は、公共・民間工事で発生する土砂(建設発生土)の適切な再生利用に向け、資源有効利用促進法に基づく再生資源利用促進計画制度を強化する。計画を必要とする基準を「土砂搬出量500立方b以上の工事」に引き下げ対象を拡大。元請け業者が作成する計画書についても、作成後速やかに発注者に提出し説明することを義務付ける。元請け業者が主体的に計画を実行するとともに、土砂の搬出経費を適切に見積もることも明確にする。省令改正案をまとめた。
促進法は、建設発生土を含む廃棄物の発生抑制と再生資源の利用促進について、必要な措置を講じるもの。建設発生土については、元請け業者に搬出先(他の工事現場、残土処分場など)を記載した再生資源利用促進計画書の作成・保存を義務付けている。
改正案では、建設発生土の搬出先を記載した再生資源利用促進計画書の作成対象工事について、土砂の搬出量を「1000立方b以上」から「500立方b以上」に引き下げ、より小規模な工事まで対象を広げる。計画書の保存期間も現行の「1年」から「5年」に延長。事後検証が必要になった場合の担保とする。
元請け業者から発注者への実施状況の報告と、建設現場での計画書の掲示も新たに義務化。計画書は工事現場の外構フェンスなど公衆の見やすい場所に掲示することとした。
事業所への立ち入り検査で違反者に勧告・命令できる対象要件の拡大も検討。年内に必要となる政令改正を行う。
この他、先月公布した「盛土規制法」に基づく、搬出先の盛土許可の確認や搬出後の土砂受領書の確認についても義務化するが、今回の省令改正からは切り離し、技術的な基準を定めることとした。
建設発生土の搬出先の明確化に向けた取り組みで国交省は、6月21日の中央建設業審議会(中建審)総会で、工事の発注段階で搬出先を明らかにする「指定利用」の実施を標準請負契約約款に新たに規定することを提案し了承を得た。併せて、指定利用の実効性を高めるため、再生資源利用促進計画制度の強化措置について、関係省令の改正を待って約款に追記することとしていた。省令改正案は7月28日までパブリックコメントを実施。8〜9月公布、2023年1月施行を目指す。
提供:建通新聞社