政府は、2022年版の水循環白書で、水インフラ施設の急速な老朽化を指摘し、戦略的な維持管理・更新、耐震対策に取り組む必要があることを打ち出した。
白書によると、直轄の河川管理施設は全体の9割が今後20年で設置から40年を経過する。法定耐用年数を迎えた水道管路は全体の2割、工業用水道で4割を超えるとした。基幹的農業水利施設も約半数が耐用年数を超過し、今後10年でその割合は7割近くにまで達する見通しだ。
直轄の河川施設については、国交省で更新の在り方を検討しており、排水ポンプの小口化や樋門の自動化など具体的な更新方法を提示していく。
上下水道は、人口減少など社会情勢の変化を踏まえた施設の維持管理・更新が求められているとした。必要に応じた施設の統廃合や規模の縮小、事業の広域化による施設の再構築が必要で、経営の統合や管理の共同化・合理化、官民連携の検討も急がれる。
工業用水道では包括的な民間委託やコンセッション方式によるPFIの導入が増加。本年度は2自治体でコンセッション方式によるPFI事業が始まる予定だ。
水循環白書は6月10日に閣議決定された。「地下水マネジメントのさらなる推進に向けて」の特集コーナーも設け、水循環に関わる取り組みを紹介している。
提供:建通新聞社