国土交通省は、所有者不明土地等対策の推進に向け、地籍調査を加速化する考えを示した。2022年度中に行う地方自治体や有識者、民間事業者へのヒアリングを通じて課題を把握し、円滑な地籍調査推進方策の検討に着手する。
22年度は、地方整備局と連携した「自治体キャラバン」を行う他、自治体へのアンケート調査、有識者や民間事業者へのヒアリングを実施。その上で、現場の課題・ニーズを調査・検証し、改善策を検討する。23年度から順次、現計画の目標達成に必要な対策を講じる。
地籍調査は、円滑な実施へ20年度に国土調査法等を改正し、現地調査の手続きなどを一部合理化。自治体への支援も強化した。「第7次国土調査事業十箇年計画(20〜29年度)」では1万5000平方`の地籍調査の実施を目標としている。現時点での実施率は、優先地域で79%となっているが、全地域では52%にとどまっている。29年度までに優先地域で約90%、全地域で約60%に引き上げることとしている。
国交省は、5月27日に開催した関係閣僚会議で、所有者不明土地対策の推進に関する基本方針を決定。所有者不明土地の利用に不可欠な取り組みの一つとして、地籍調査を加速化することとした。
提供:建通新聞社