国土交通省は、入札契約適正化指針を一部変更した。建設発生土の適正処理を促すため、工事の発注段階で搬出先を指定し、設計図書に明示することなどを盛り込んだ。この他、資材価格高騰への対応を明記。復旧・復興JVについても共同企業体の新たな類型として追記した。新たな指針は5月20日に閣議決定された。
建設発生土の適正処理については、予定価格の設定に当たり、運搬・処分費用を適正に積算すべきとした他、工事の発注段階で搬出先を指定、設計図書に明示して関係者間で共有すべきとした。
資材価格高騰への対応では、資材価格の著しい変動や納期遅れも、契約変更の必要性が生じうる事情になると明記。
ダンピング対策を徹底するため、低入札価格調査基準等を適正な水準で設定することや、技能労働者の育成・確保に向けて、国・発注者が建設キャリアアップシステム(CCUS)活用促進に取り組むことも追記した。
復旧・復興JVは、東日本大震災の被災3県の復旧・復興工事で効率的に施工体制が確保できるよう、2012年度に試行を開始した。近年の豪雨災害での復旧工事に当たり、独自に復旧・復興JVを活用する自治体が出てきたため、JV準則を改正。対象を一定規模以上の大規模災害(激甚災害)相当の復旧・復興工事に広げた上で、JVの新たな類型として位置付けた。
復旧・復興JVの構成員は「被災地域の地元の建設企業を1社以上」とし、代表者は地元の建設企業とした。技術者は、工事規模に見合った施工能力を有する構成員を配置する場合、その他の構成員には技術者の専任を求めない。大規模な工事と技術的難度の高い工事では復旧・復興JVの適用を認めない。
5月20日付で中央建設業審議会(柳正憲会長)から公共発注機関に改正JV準則の実施を勧告した。自治体でもそれぞれJV運用基準を改定し、新たなJV運用を始める。
提供:建通新聞社