建設物価調査会がまとめた民間企業設備投資動向調査(3月調査)によると、4〜6月期に民間企業が計画している建設投資は前年同期比13・6%増となった。中でも資本金10億円以上の大企業で30・6%増と大きく投資を伸ばす傾向にある。資本金1億〜10億円の企業は、前年に投資が大きかった加工組立型産業の工場ライン増設などの反動減で、52・1%の減少を見込む。
建設投資を産業別に見ると、製造業が25・7%増と、輸送用機器の工場設備への投資などで大幅な増加を見込んだ。非製造業も11・6%増と二桁の増加となる見込みで、不動産業や金融・保険業で増加する見通し。
投資区分別では、工場・倉庫が10・0%減と投資が減少する一方、事務所・店舗が30・7%増、その他建築物が81・4%と大きく伸びる見込み。住宅は41・7%減と大幅に落ち込む傾向。
同調査に合わせて行った「設備投資マインド調査」では、全産業の過半数(50・3%)が「建設・製造コストが上昇している」と回答。具体的には、ロシア・ウクライナ情勢による物資不足や調達の滞りによる原材料価格の高騰、SDGs、脱炭素への取り組みに向けたコスト増といった声が聞かれた。
両調査では、資本金1億円以上の民間企業4403社を対象にアンケートを実施した。調査時点は3月1日。回答率は23・8%。
提供:建通新聞社