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中央ニュース

2022/05/12

『歩切』の違法性 発注者に周知徹底

 国土交通省は、「歩切り」の違法性や定義を改めて公共発注機関に周知し、歩切りの根絶を促す。新たにリーフレットを作成し、5月11日に全ての団体に送付した。2021年1月に同省が実施した実態調査で、全ての発注機関から歩切りを行わない旨を確認したものの、一部の建設業団体からは「歩切りは根絶されていない」とする声が上がっていた。
 リーフレットでは、どういった行為が「歩切り」に該当するのかを明示=表参照。慣例や、自治体財政の健全化を理由に、設計書金額から一定額を減額して予定価格を決定することは「歩切り」に当たるとした。
 予定価格の漏洩を防ぐため、システムで無作為に発生させた係数を設計書金額に乗じて減額することや、事務の効率化のために端数を切り下げる行為も「歩切り」に該当するものの、極めて少額にとどまる場合は、入札契約手続きの透明性・公平性の観点からやむを得ないケースもあるとしている。
 資材単価で、メーカ―公表価格に自治体が不透明な乗率を掛ける、いわゆる「単価歩切り」については、市場実態や妥当性の裏付けがない場合、「歩切り」に当たると指摘。実勢価格を適切に反映した積算を徹底するよう促した。
 品確法では、適正な積算に基づく設計書金額の一部を控除する「歩切り」による予定価格の切り下げについて、予定価格を適正に定めていると言えず、法律に違反すると明確にしている。さらに「歩切り」した予定価格の範囲内で入札を強いることも建設業法に違反する恐れがあるとする。
 歩切りによる予定価格の不当な引き下げは、ダンピング受注の助長、下請け業者や技能労働者へのしわ寄せにもつながり、インフラメンテナンスや災害対応など地域の維持に支障が出る恐れもあるとしている。

提供:建通新聞社